このドメインで運営していたゲームは終了いたします。いままでありがとうございました。












































































 最後に残ったのはェアストとエレァセルでした。
これ以上細分化できない最小の粒子まで削り落ちた、
もう戦うどころか、考える力も、思う心も失われた、
しかし、それはェアストとエレァセルでした。
ェアストはすべてを滅ぼすという目的を、
エレァセルはェアストを滅ぼすという目的を、
お互い全く同時に成し遂げたのです。
 そして世界は完全に失われました。
全て無になったのです。
 これが物語の「終わり」です。

 「終わり」の少し前、
ェアストはエレァセルを見つけ出し、
彼女から滅びの術を手に入れます。
それはヒトの想像力を超えて膨張し続ける宇宙を終わらせる、
ェアストが不死人間になった時から探し続けていた、
「すべてを滅ぼす」方法でした。
エレァセルには、ェアストがそれを用いてすべてを滅ぼすまで、
彼が死なぬ事が分かっていました。
しかしその時こそ、エレァセルが願い続けた、
「ェアストの死」が果たされることも分かっていました。
 ェアストがその術を行使すると、
世界を構成するすべての力が、
自死に向けて働き始めます。
膨張し続けた数多の宇宙は収縮を始め、
融合し、崩壊し始めました。
滅びは恐るべき速度で進みましたが、
それでも途方もない時間がかかりました。
 しかしヒトにはなすすべもなく、そこに物語はありませんでした。
 やがて宇宙は全く一つに戻り、星々は崩壊し、
ついにェアストとエレァセルだけが残ります。
二人はもはや戦いませんでした。
それぞれ自身を構成する細胞の一つ一つが損なわれてゆくのを感じながら、
お互いの「死」が自分の結末になることを悟っていたのです。
肉体は失われ、感情もなく、
ェアストとエレァセルという存在だけが残ってゆきました。

 「終わり」の数千年前、
ェアストはエレァセルを探していました。
エレァセルは偶然見つけたのです。
ェアストが探し続けていた、すべてを滅ぼす方法です。
 エレァセルはェアストを倒すために彼と相対する宿命にありましたが、
今や多数の宇宙に広がったヒトの世界を守るため、
初めて彼から逃れる選択を選びます。
ェアストはエレァセルの行動から、
彼女が自分にとって決定的な何かを手にした事を察し、
彼女を探し始めます。
 その間も宇宙は膨張し続け、
ヒトは繁栄と衰退を繰り返し、物語がありました。

 途方もない時が流れ、宇宙は分裂し、膨張を続け、
ヒトはそれを認知していました。
かつてェアストとエレァセルを作った、
母なる魂が母なる魂たりえる前に持っていた文明をはるかに超え、
第二、第三の母なる魂のようなものも生じながら、
ヒトの物語がありました。

 ヒト々が太陽を回る星の中で栄えていた頃、
ェアストは一度、すべてのヒトを殺すことに成功します。
しかしそれが彼の終わりではありませんでした。
彼に定められた「すべてを滅ぼす」という宿命は、
ヒトの命だけではなく、すべての存在の滅びだったのです。
それは当時ヒトには認知すらされていなかった、
広がり続ける宇宙そのものの滅びでした。
 自分一人ではその目的を達せぬと悟ったェアストは、
再びヒトを興すことを決意し、エレァセルとの間に子をもうけ、
少しずつヒトを増やし、人類を再興します。
 ヒトはかつてェアストが滅ぼした人類の遺産を利用し、
やがて古い人類を超越した文明に成長します。
 ヒトは文明をさらに広げようとする一派と、
自然と同調する一派に分かれました。
ェアストは文明を尊ぶ一派を、エレァセルはそうでない者たちを、
それぞれ庇護しました。
 そこには多くの物語がありました。

 ユテァリーテがキステを構築する力がすべて失われた後、
ェアストは再び滅びのために力をふるおうと動き始めました。
しかしキステから「願い」を受けたエレァセルは、
ェアストを圧倒し、長い時の中に閉じ込める事が出来ました。
 エレァセルから願いが失われェアストが台頭するまでに、
ヒト々は地に満ち栄え、多くの物語がありました。

 ェアストが死を司る時代が続いていました。
生前リィタたりし半神ユテァリーテは、
ェアストの死から逃れる永遠の世界「キステ」を作り上げ、
そこにェアストを閉じ込め、時代を救おうとしました。
キステはリィタが生きた世界エンセスを繰り返すのでした。
 世界は閉じたものの、多くの物語がありました。

 エンセスが滅んだ後に、小さな島イススィールが残りました。
イススィールはエンセスが残した物語の中に、
時空を超越したヒト々の物語を取り込み、在りました。
 そこには多くの物語がありました。